関数電卓 Panecal Version 7
ユーザーズマニュアル

目次

1.基本操作

1.1 数式入力

 数字キーと関数キーを使用して数式を入力し、[=]キーをタップすることで計算結果を表示します。計算式は複数行に渡って入力可能です。
 計算後、続けて別の式を入力し、計算を行えます。画面に表示されている数式をスクロールして、過去の計算式を編集し、再計算することができます。
 数式の編集は、カーソルを画面タップまたは矢印キーで移動し、[BS]・[DEL]キーなどで修正し、[=]キーで計算します。

主なキーの説明
ラベル 説明
白色・黒色
ラベル
関数・機能を指定します。
黄色ラベル 黄色ラベルの機能は[ALT]キーで指定します。
(例)角度単位をラジアンにする
[ALT] [DRG] 角度単位の指定

緑色ラベル 緑色ラベルの機能は[SHIFT]キーで指定します。キー長押しでも指定できます。
(例)メモリAに7を記憶する
[7] [SHIFT] [A] または、[7] [A(長押し)]
[0]〜[9]
[A]〜[F]
数字キー、16進数モード時には[A]〜[F]キーも表示されます。
[=] 計算を実行します。
[ALT] 黄色ラベル機能を指定します。例)[ALT][FSE]表示形式の指定
[SHIFT] 緑色ラベル機能を指定します。緑色ラベルを長押しすることでも指定できます。例)[M+(長押し)]メモリ加算
[DEL] カーソル位置に含まれる数値および関数が削除されます。また、式の末尾にカーソルがある場合は、カーソルの手前の1文字が削除されます。
[BS] カーソルの手前の1文字が削除されます。また、カーソル位置に含まれる関数が削除されます。
[CLR] 画面上の数式をすべて消去します。
[FSE] [ALT][FSE]:表示形式を指定します。
Normal(標準)、Fix(固定小数点)、Sci(科学表記)、Eng(工学表記)を指定できます。
[DIGS] [ALT][DIGS]:表示桁数を指定します。
FixおよびEngモード時では小数点以下の桁数、Sciモード時では有効数字桁数を指定します。
[DRG] [ALT][DRG]:角度単位を指定します。
DEG(度)、RAD(ラジアン)、GRAD(グラード)を指定できます。
[△] [△]:過去に計算した数式を末行へ呼び出します。[△]を押した後、[▼]キーで直前に呼び出された数式を表示します。
[△(長押し)]:過去の数式一覧を表示します。
矢印キー カーソルを移動できます。
[DEC] [CLR][ALT][DEC]:10進数モードへ移行します。
[ALT][DEC]:10進数へ基数変換します。
[HEX] [CLR][ALT][HEX]:16進数モードへ移行します。
[ALT][HEX]:16進数へ基数変換します。
[OCT] [CLR][ALT][OCT]:8進数モードへ移行します。
[ALT][OCT]:8進数へ基数変換します。
[BIN] [CLR][ALT][BIN]:2進数モードへ移行します。
[ALT][BIN]:2進数へ基数変換します。
[°’”] [°’”]:度分秒形式での入力を行います。
計算直後に[°’”]をタップすることで度分秒形式と実数形式を交互に表示します。
[ALT][H:M:S]:ラベルを[H:M:S]へ切り替えます。
[H:M:S] [H:M:S]:時間形式での入力を行います。
計算直後に[H:M:S]をタップすることで時間形式と実数形式を交互に表示します。
[ALT][°’”]:ラベルを[°’”]へ切り替えます。
[Const] [ALT][Const]:定数表を表示します。
[Mod] [ALT][Mod]:剰余算を行います。計算結果の商Q、余りRは画面に表示され、メモリE、Fに記憶されます。
[Pol] [ALT][Pol]:直交座標(x,y)を極座標(r,θ)へ変換します。キーをタップするとPol( , )が表示されます。x座標を入力後[▶]キーでカーソルを移動してy座標を入力します。計算結果のr、θは画面に表示され、メモリE、Fに記憶されます。角度単位は画面右上の表示に従います。
[Rec] [ALT][Rec]:極座標(r,θ)を直交座標(x,y)へ変換します。キーをタップするとRec( , )が表示されます。rを入力後[▶]キーでカーソルを移動して角度θを入力します。計算結果のx、yは画面に表示され、メモリE、Fに記憶されます。角度単位は画面右上の表示に従います。
[nPr] [ALT][nPr]:順列の計算を行います。
[nCr] [ALT][nCr]:組合せの計算を行います。
[%] [ALT][%]:パーセントの計算を行います。計算方法は設定画面にて2通りから選択できます。
[(-)] [ALT][(-)]:負記号を入力します。減算演算子で代用できますが、直前の計算を継続しないで負数から始まる式を入力する際に利用できます。また、直前の計算を継続時、減算演算子[-]キーを2回連続してタップすることで負記号を入力することもできます。
[Exp] 指数を指定します。
[Ans] [Ans]:直前の計算結果を得ます。
[Ans(長押し)]:過去の計算結果の一覧が表示されます。
[MC] [MC(長押し)]メモリをクリアします。
[M] [M(長押し)]:メモリへ登録します。
[ALT][M]:メモリを変数で呼び出します。
[MR] [MR(長押し)]:メモリを数値で呼び出します。
[M+] [M+(長押し)]:メモリの加算を行います。
[M-] [M-(長押し)]:メモリの減算を行います。
[A]〜[F] [A(長押し)]〜[F(長押し)]:変数メモリへ登録します。
[ALT][A]〜[ALT][F]:変数による呼び出しを行います。
[MENU] [ALT][MENU]または[MENU(長押し)]:メニュー項目を表示します。

1.2 再計算機能

 画面に表示されている数式をスワイプすることでスクロールすることができます。編集したい箇所へカーソルを移動し、数式を編集して、再計算することができます。
 カーソルの移動は、画面タップ・矢印キーで行い、[BS]・[DEL]・数字キー・関数キーを用いて修正した後、[=]キーで計算します。計算式と計算結果は行末へ表示され、変更された式は復元します。
 画面に表示される数式は[CLR]キーで一括消去できます。消去後でも、[△]キーで呼び出し、数式の一部を修正して再計算することができます。[△(長押し)]でリスト表示することができます。

1.3 計算の継続

 計算直後に[+], [-], [×], [÷]の演算子、 [x2], [x-1], [xY], [x√]の関数を入力すると、直前の計算結果を継続した数式入力ができます。
 [-]キーは1回目のタップは計算の継続、2回目のタップはマイナス符号が入力されます。[ALT][(-)]でマイナス記号を入力することもできます。

1.4 ラストアンサー

 [Ans]キーをタップすることで直前の計算結果を数式のどの位置にも挿入することができます。ラストアンサーは数値を呼び出すため、ラストアンサーを含む数式を[△]キーで呼び出したときでも適切に計算できます。

1.5 乗算演算子の省略

 乗算演算子を省略して数式を入力することができます。

(例)
=6.283185307
=21
=1


省略された乗算演算子と括弧の計算
 設定にて6÷2(1+2)=1、6÷2(1+2)=9を指定できます。カッコ直前の省略されている乗算演算子は優先して計算する、または単純に演算子を補い計算することを指定できます。

2.表示形式

 計算結果の表示形式はNormal(標準)、Fix(固定小数点)、Sci(科学表記)、Eng(工学表記)を指定できます。小数点以下の桁数または有効数字桁数は[DIGS]キーで指定します。

Normal
(標準)
計算値の絶対値が1.0E-9未満または1.0E12以上で0でない場合に指数表示します。表示する最大の小数点以下桁数は12桁です。
設定方法
[ALT][FSE] Normal
表示例
0.333333333333
3.333333333333E12
Fix
(固定小数点)
計算値の絶対値が1.0E-9未満または1.0E12以上で0でない場合に指数表示します。DIGSで指定した桁数が表示する小数点以下桁数となり、小数点以下は0埋めされます。
設定方法
[ALT][FSE] Fix
[ALT][DIGS] 3桁
表示例
0.333
3.333E12
Sci
(科学表記)
計算値にかかわらず、指数形式で表示します。DIGSで指定した桁数が有効数字桁数となります。
設定方法
[ALT][FSE] Sci
[ALT][DIGS] 3桁
表示例
3.33E-1
3.33E12
Eng
(工学表記)
計算値にかかわらず、指数形式で表示します。DIGSで指定した桁数が仮数部の小数点以下桁数、指数部は3の倍数で表示します。
設定方法
[ALT][FSE] Eng
[ALT][DIGS] 3桁
表示例
333.333E-3
3.333E12

3.計算

3.1 三角関数、逆三角関数

 sinなどの三角関数や逆三角関数の計算を行うことができます。角度の単位は[ALT][DRG]をタップすることでDEG(度)、RAD(ラジアン)、GRAD(グラード)を指定できます。
 アプリを終了しても指定した単位は保持されます。

例)角度単位をDEG(度)にする
[ALT][DRG]キーをタップし、DEGを指定

例)正弦の計算 単位[ラジアン]
[ALT][DRG] RAD
=0.5

例)正弦の計算 単位[度]
=0.5

逆三角関数は[ALT]キーをタップして行います。
例)逆三角関数の計算 単位[度]
[ALT][sin-1] 0.5
=30

3.2 度分秒と時間計算

 [°’”]キーを用いて度分秒形式での計算、[H:M:S]キーを用いて時間の計算を行うことができます。
 [ALT][°’”]または[ALT][H:M:S]をタップしてキーラベルを切り替えできます。

(計算例)
実数と度分秒形式の変換 30.5
=30.5
[°’”]をタップ
=30°30’00”
続けて[°’”]をタップ
=30.5
時計の計算 ■1時間30分+2時間45分を求める。
[ALT][°’”]をタップしてキーラベルを[H:M:S]に切り替えます。

1[H:M:S]30+2[H:M:S]45
=4:15:00

■1工程あたり50秒かかる部品を150個作るために必要な時間を求める。

0[H:M:S]0[H:M:S]50×150
=2:05:00

(設定条件)
度分秒・時間の計算形式 → フォーマット

3.3 パーセントの計算

パーセントの計算を行うことができます。

(設定条件)
[ALT][MENU]→設定→パーセントの計算→100+20%=120となっている場合

500円の20%増しの値を求める
=600

500円の20%引きの値を求める
=400

500円の20%の値を求める
=100

100円は500円の何%かを求める
=20

3.4 その他の関数

 指数自然対数、常用対数、2乗、逆数、平方根、立方根、べき乗根、べき 乗、階乗、絶対値、確率の演算が可能です。

4.基数計算

4.1 n進数の計算

 n進数モードの切り替えは画面上に数式の表示がないときに移行します。[CLR]をタップした直後に[ALT][BIN](2進数)、[ALT][OCT](8進数)、[ALT][DEC](10進数)、[ALT][HEX](16進数)キーで指定した基数モードに移行します。ディスプレイ上部には現在の基数モードと演算ビット数を表示します。計算結果はそれぞれ固定(10進数を除く)の桁数で表示します。

BIN
(2進数)
BINモード移行:[CLR][ALT][BIN]
最大32桁 (ビット数の設定による)
OCT
(8進数)
OCTモード移行:[CLR][ALT][OCT]
最大12桁 (ビット数の設定による)
DEC
(10進数)
DECモード移行:[CLR][ALT][DEC]
FSEやDIGSの設定による
OCT
(16進数)
HEXモード移行:[CLR][ALT][HEX]
最大8桁 (ビット数の設定による)

4.2 基数変換

 カーソルが置かれた数式・数値の計算結果を指定の基数で変換します。数式または数値を入力後し、[ALT][BIN](2進数)、[ALT][OCT](8進数)、[ALT][DEC](10進数)、[ALT][HEX](16進数)キーをタップすることで変換します。

(例)2進数1111を16進数、8進数、10進数へ変換する
(1111)2→(0F)16 [CLR][ALT][BIN]1111[ALT][HEX]
=000F
BINモードにして1111を入力後、16進数の変換を指定する
続けて8進数へ基数変換する 続けて[ALT][OCT]をタップすることで
=0000 0017
さらに続けて10進数へ基数変換する 続けて[ALT][DEC]をタップすることで
=15


(例) 2進化10進数(BCD)へ変換する
(1234)16
(0001 0010 0011 0100)2
[CLR][ALT][HEX]1234[ALT][BIN]
=0001 0010 0011 0100
16進数モードで10進数の1234を入力し、2進数へ変換することで2進化10進数(BCD)0001 0010 0011 0100を表示できます。

4.3 論理演算

 BIN(2進数)、OCT(8進数)、HEX(16進数)モードでは、[AND]、[OR]、[XOR]、[NOT]キーを使用して論理演算を行うことができます。

5.メモリ

値をメモリへ登録し、数式へ利用することができます。メモリはMメモリと変数メモリ(A〜F)の2種類を利用できます。

5.1 Mメモリへ登録する

メモリキーを長押しすることで、カーソルのある数式の値をメモリへ登録します。
(例)Mメモリ登録
10+20[M(長押し)]
30→M
30[M+(長押し)]
30→M+
40[M-(長押し)]
40→M-

5.2 Mメモリ呼び出し

Mメモリ呼び出しは、値呼び出しと変数呼び出しの2通りがあります。値呼び出しは[MR(長押し)]、変数呼び出しは[ALT][M]をタップします。
キー上に黄色文字で示されるべきメモリ機能ラベルは省略しています。

(例)Mメモリの値呼び出し
[MR(長押し)]
20
(例)Mメモリの変数呼び出し後、2を乗算する。
[ALT][M]×2[=]
=40

(例) [MC]、[M]、[M+]、[M-]を利用した計算
+(12×2)
+(13×2)
-(14×2)
=22
入力:[MC(長押し)]12×2[M+(長押し)]13×2[M+(長押し)]14×2[M-(長押し)][ALT][M]=

5.3 変数メモリA〜Fを利用する

変数メモリA〜Fを利用できます。変数メモリE・Fには、Mod、Pol、Recの計算結果が格納されます。

(例) 変数メモリを利用した計算
A=2
B=3
A×B÷(A+B)
=1.2
入力:2[A(長押し)]3[B(長押し)][ALT][A]×[ALT][B]÷([ALT][A]+[ALT][B])=

(例)剰余算Modの計算結果の余りRをメモリFで確認する
123[Mod]45[=]
Q=2
R=33
[ALT][F][=]
=33

長押しの代わりに[SHIFT]キーを用いることが可能です。この場合、SHIFTキーを押した後に目的のメモリキーをタップしてください。

6.外部キーボード

関数電卓PanecalはBluetoothなどの外部キーボードを利用して、数式の入力を行うことができます。
外部キーボードのEnterキーで計算を行います。また、Androidの場合は、CLS(clear)キー、またはCTRL-Lで画面をクリアします。

7.設定

[ALT][MENU]をタップし(または、[MENU]長押し)、表示されるメニュー項目の中から「設定...」をタップして設定画面を表示します。

計算設定
FSE(表示形式) 表示形式を指定します。
・Normal(標準)
・Fix(固定小数点)
・Sci(科学表記)
・Eng(工学表記)
ショートカットキー:[ALT][FSE]
DIGS(表示桁数) 表示桁数を指定します。FSE(表示形式)によって指定できる桁数の種類が異なります。
・Nomal:指定なし
・Fix:小数点以下桁数の指定
・Sci:有効数字桁数の指定
・Eng:小数点以下桁数の指定
ショートカットキー:[ALT][DIGS]
DRG(角度単位) 角度単位を指定します。
・DEG(度)
・RAD(ラジアン)
・GRAD(グラード)
ショートカットキー:[ALT][DRG]
n進数 n進数を指定します。
・DEC(10進数)
・BIN(2進数)
・OCT(8進数)
・HEX(16進数)
ショートカットキー:例)16進数 [CLR][ALT][HEX]
DECモード設定 べき乗計算 マイナス符号のあるべき乗計算の解釈を指定します。
・-2^2 = 4
・-2^2 = -4
省略乗算演算子と括弧 省略された乗算演算子と括弧のある式の計算解釈を指定します。
・6÷2(1+2)=1
・6÷2(1+2)=9
パーセントの計算 パーセントの計算の解釈を指定します。 ・100+20%=120
・100+20%=100.2
小数点の種類 通常、日本では「点」を指定します。
・点(.)
・コンマ(,)
桁区切り 数式中の数値及び計算結果の桁区切りを指定します。
・コンマ/点
・スペース
・無効
度分秒・時間の計算形式 度分秒・時間の計算形式を指定します。
・フォーマット:度分秒または時間形式を指定します。
・数値:計算結果を数値表示を指定します。
HEX/OCT/BINモード設定
ビット数
32ビット、16ビット、8ビットを指定します。
桁区切り 2進数・8進数・16進数の演算や基数変換結果の桁区切り指定をします。
・スペース:4桁ずつをスペースで区切ります
・無効
CLRキーの動作 CLRキーの操作方法を指定します。誤って画面をクリアすることを防止できます。
・タップ:タップすると画面をクリアします。
・タップ・確認画面表示:タップすると画確認画面が表示されます。

8.免責

 本ソフトウェアの使用により生じた損害、逸失利益または第三者からのいかなる請求についても作者は一切その責任を負えませんので、あらかじめご了承ください。

9.クレジット・謝辞


Credits and Acknowledgments
物理定数
日本語
Wikipedia contributors. "物理定数." Wikipedia. Wikipedia, 25 Nov. 2015. Web. 18 Feb. 2016.
Physical constant
English
Wikipedia contributors. "Physical constant." Wikipedia, The Free Encyclopedia. Wikipedia, The Free Encyclopedia, 15 Jan. 2016. Web. 18 Feb. 2016.